しかし、屋根の葺き替え工事は非常に大掛かりになり、費用も掛かることから、どのタイミングでやるべきか判断が難しいところです。そこで今回は、屋根葺き替え工事の目安となる屋根の耐用年数や、工事を検討すべき症状について解説します。
屋根の耐用年数とは?
耐用年数とは、減価償却資産が標準的な利用状況や保守状況の中で利用に耐えうる年数のことで、税務上の用語です。国税庁では建築物ごとに耐用年数※を定めていますが、ここでは、屋根の耐用年数を雨漏りなどの問題のない状態が保てる年数と定義し、日本で普及している屋根材ごとの一般的な耐用年数について解説します。
※参考:国税庁が定める住宅用建築物の耐用年数
- 木造、合成樹脂造のもの:22年
- 木骨モルタル造のもの:20年
- 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの:47年
スレート屋根の耐用年数
スレート屋根とは、セメントが主成分の屋根材で、軽くて耐久性も強く、日本の住宅で多く普及している屋根材の一つです。スレート屋根の耐用年数は、一般的に15年~30年程度と言われています。年数の幅が大きいのは、定期的なメンテナンスの有無によって、寿命が大きく左右するためです。メーカーが推奨しているメンテナンスのモデルスケジュールとしては、10年ごとに点検や部分補修を行い、30年目には塗り替えの塗装工事を推奨しています。
瓦屋根の耐用年数
日本で古来より最も普及してきたのが瓦屋根です。瓦屋根に主に使用される粘土瓦(陶器瓦)は、断熱性に優れ、経年劣化にも強く、耐用年数は50年以上と言われています。中には70~80年もつ場合もあります。とくに塗装などのメンテナンスも必要ありません。
しかし、瓦の重量があり他の屋根材と比べて扱いにくい点や、地震や強風に弱いとのイメージが根付いてしまっていることから、年々シェアが減っています。実際には、2001年以降に導入が進んでいる「ガイドライン工法」で施工された瓦屋根であれば、台風や地震などの自然災害にも強い屋根が実現されています。
ガルバリウム鋼板屋根の耐用年数
ガルバリウム鋼板屋根とは、アメリカのベスレヘムスチール社が開発した、アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板を使用した金属板葺き屋根のことです。軽くて錆びにくいのが最大の特徴であり、耐用年数は20年~30年と言われています。しかし、スレート屋根同様に、定期的なメンテナンスによって、寿命は大きく左右されます。
屋根葺き替え工事検討の目安となる屋根の症状について
ここまで、屋根材ごとの耐用年数について解説してきましたが、耐用年数はあくまで目安であり、屋根の状態の点検も欠かせません。以下のような状態が見つかったら、屋根の葺き替え工事を検討してみてもよいでしょう。
屋根材のひび割れや欠けの発生
スレート屋根材や瓦にひび割れや欠けが発生していた場合、それが一部であれば部分補修で問題ありませんが、広い範囲で見られた場合は葺き替え工事を検討したほうがよいでしょう。屋根材としての寿命を迎えて、本来の性能が発揮できない状態になっている可能性があります。また、欠けた破片が落下する危険性もあります。
屋根材の浮きや反りの発生
屋根材の浮きや反りは、主にスレート屋根材で発生します。主な要因としては、塗装の劣化に伴いスレート板が水分を含んでしまい、太陽の熱による熱膨張と温度変化を繰り返すことで反ってしまうことなどがあります。部分的な浮きや反りであれば、屋根材の差し替えや接着等で補修できますが、広範囲で発生している場合は屋根全体の寿命がきている可能性がありますので、葺き替え工事の検討が必要でしょう。
雨漏りの発生
雨漏りの原因を特定することは、一般の方には非常に難しいと言われていますが、最も多い原因は屋根の破損や劣化によるものです。もしも、屋根の経年劣化により、屋根材のひび割れや屋根下葺材(防水シート)の傷みからの雨水の侵入が原因の場合は、葺き替え工事を検討したほうがよいでしょう。一時的な対症療法のみでこの状態を放置すると、後々被害を大きくして、建物に大きなダメージを与えてしまう危険性もあります。
まとめ
今回は、屋根の葺き替え工事を検討するための、屋根材ごとの一般的な耐用年数について解説しました。しかし、屋根の耐用年数はメンテナンスの有無によって大きく変化しますので、あくまで目安と考えてください。実際の屋根の状態を点検することと併せて、検討・判断することが重要です。
「株式会社はおぷらす」では、石川県白山市を中心に県内の皆様から、屋根の各種工事のご相談を承っております。屋根葺き替え工事以外にも、瓦差し替えや雨漏りの修理から雨どいの掃除まで、屋根に関わるどのような事にも丁寧に対応いたします。屋根のお困りごとがありましたら、ぜひお問い合わせください。